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紫外線と皮膚免疫 その2(最後)

前回からの続き

この研究を始めた当時、皮膚に存在するある細胞に関してこれまでの定説を覆すような研究発表が出てきました。

皮膚には「ランゲルハンス細胞」という突起(樹状突起)をもった細胞が皮膚に存在しており

皮膚から侵入してくる異物を捉えてリンパ節で異物に反応するリンパ球を増殖させ、かぶれの反応を誘導する

というのが私が学生の時に習った内容です。

つまり「ランゲルハンス細胞は皮膚から侵入する異物に対して攻撃を加える体制を整えている」

というのが一般的な考えでした。


マウス皮膚のランゲルハンス細胞(緑色に光っている細胞)
LC.jpg


しかし欧州の研究グループがマウスを用い多実験でランゲルハンス細胞を除去してかぶれの反応を見てみると

むしろかぶれの反応が上昇したという研究結果を発表しました。

その後もこのマウスを用いたかぶれの研究報告が多くなされましたが、この当時の最終的な結論として

ランゲルハンス細胞は攻撃を加える方に働くのではなく、攻撃を抑えるように働いているおり
                   攻撃を加えるように働くのは皮膚に存在する別の樹状細胞である


という考えが研究者の間で主流になってきたのです。


ここで紫外線と免疫抑制に関して話を戻しますが

紫外線を照射した部位にかぶれを起こさせる物質を塗布すると、かぶれを生じさせるリンパ球以外に

かぶれを抑制させるリンパ球が多く生産されるということは、それまでの研究でわかっていました。

しかし、このかぶれを抑制させるリンパ球はどのようにして生産されるのか? ということが最大の謎でした。

かぶれを抑制させるリンパ球を生産しているのが、紫外線の照射を受けて攻撃を抑制する機能が高まった

ランゲルハンス細胞なのではないか? という仮説のもと研究を進めた結果・・・

「紫外線照射を受けた皮膚においてランゲルハンス細胞が免疫抑制に重要な因子を生産するようになり

リンパ節で免疫調節性リンパ球を誘導する」


という研究結果が得られました。

「The Mandatory role of IL-10-producing and OX40 ligand-expressing
mature Langerhans cells in local UVB-induced immunosuppression」
Yoshiki R. et. al. J Immunol. 2010. 184(10) 5670-5677



実はこの年に産業医大皮膚科のグループだけでなく、ドイツの皮膚科グループも同様の研究成果を発表しています。

これまでなぜ紫外線治療がアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬など、皮膚の免疫異常による疾患に効果があるのか

最後の謎がここで一応の解明がされたことになったのです。


皮膚科領域における紫外線治療の効果について、またその機序についてかなり端折って書かせていただきました。

かなり専門的な内容を短い文章で書いたためわかりづらいところも多々あると思いますがご容赦を!
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プロフィール

吉木 竜太郎

Author:吉木 竜太郎
福岡県福津市(旧宗像郡福間町)で平成25年8月6日に開院しました
「よしき皮膚科・形成外科」院長の
吉木竜太郎です。
皮膚のことでお悩みのことはなんでもご相談ください!

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